鼻カメラ
最大の関心事は、胃カメラ!
初めて胃カメラを飲んだ時には「蛇を飲む!」気がした。初めてお尻から入れた時には、「人体でもっともナイーブな部分から、龍を飲み込む!」気がした。さて、今回の「胃カメラ」は奨められたこともあって、新しい方法にチャレンジしてみた。
「伊藤さん、胃カメラはどうしますか?」
「是非、口の方で!」
「鼻もありますけど」
「鼻?」
知らない間に、鼻から挿入する胃カメラが出来ていたらしい。
「やっぱり、口にします。何回かやって慣れてますから」
「鼻じゃなくていいんですか?」
「え、鼻の方がいいんですか?」
「はい。なんたって胃カメラしたまま喋ったりも出来ますから」
それはいい!ということで、今回の胃カメラは「鼻」に挑戦することにした。さて、どうだったか?最初はちょっぴり難航した。鼻に麻酔系の液を何度が垂らされる。それは、大したことない。その後で鼻に「胃カメラを入れる前の準備器具」を入れる時、ちょっと痛かった。
「伊藤さん、ちょっと痛いかもしれません。鼻の穴が小さいですから。」
ほっとけ。でも、本当にちょっと痛かった。麻酔のせいで薄ボンヤリした鼻の穴に塩ビっぽい異物を挿入される。軽く涙目になる。でも、我慢できない痛みではない。そのまま鼻に塩ビのキセルみたいなものを挿入して、マヌケな花魁みたいな姿のまま数分待つ。
やがて、施術の時が来た。鼻に2種類ほどローションのような液体を垂らされた後、鼻からアイツが入ってきた。「口から蛇」の時代に比べると、径がかなり細くなっているのがわかる。でも、明らかに自分の鼻の穴よりは太そうに見える。でも、そいつがどんどん入っていく。ちょっと不思議な気分。
ま、挿入初期だけは、ちょっぴり違和感ありまくる。鼻からノド経由で食道にアイツが侵入していく。あまり気持ちのいいものじゃない。でも、「口から蛇」時代に、アイツが喉を通る時の感触に比べると、格段に楽だ。
所詮、鼻から食道への道筋は脇道だ。本道が交通封鎖されていないだけでも、気分的になんだか楽だ。そして、鼻から食道へのバイパスさえ通過すれば、あとは食道を抜けたアイツが、笑ってしまうほどのスピードで胃袋の中へと滑り込んでくる。一番驚いた瞬間は、施術医師のこんな言葉から始まった。
「伊藤さんは、胃カメラ何度か飲んでますよね?」
「はい、方法は違いますけど、だいたい毎年飲んでます」
あ、俺、今、喋ってる?!…そう、鼻カメラは驚くべきことに、挿入したまま、喋ることが出来るのだ。そりゃまあ、多少の違和感はある。でも、海水浴場で海水が鼻の奥に入っちゃった時ぐらいの違和感である。全然我慢できる。唾液なんかも気楽に飲める。
という訳で、鼻カメラは「楽勝」というほどでもないが、「口から蛇」よりはかなり楽である。しかも、施術者と会話が出来る。今回もそのおかげで、胃袋の中の過去の病跡についての調査が可能になった。
さらに、これは病院のポリシーの差でもあるのだが、鼻カメラを覗いて写真をぱちぱち撮りながら、見つかった「やばげなもの」もその場で処置してくれる。これはマジで凄い。そんなこんなで、今年の人間ドックのメインイベントは意外とあっさりと終わった。
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※写真:Optio A20
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