淋しさよりも嬉しかった夜
先週は「いいとも」最終回の余韻で終わったような気がする。
改めてWikipediaって見ると、あの番組が始まったのは82年10月ということだから、私が東京に来て芝居を初めて2年目の秋だった。そうか、いいともの歴史は私にとっては東京時代の歴史と重なるのか?それだけでも感慨がある。
しかも、82年10月当時、「え?モンティパイソンのタモリがお昼のテレビ番組の司会?」と思った程度だった。それぐらいに遠い存在だったあの番組だが、その後、きわめて近い世界で働くことになった。
そして、スタッフやキャストに知人が増えていき、97年秋には、いいともの担当作家の一人にもなっている。ただし、よんどころない事情でわずか2ヶ月後には自ら降板することになるのだが、それでも番組は近い存在のままだった。
しかも、最終回である。とくに夜に放送された最終回SPである。もっと特定すれば、ステージに、タモさん、明石家さんまさん、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、とんねるず、爆笑問題、ナインティナインらが勢揃いした瞬間である。
今さらながら、シビれた。そこに、ありえないメンバーが揃ったことはもちろんだが、ありえないメンバーが揃うために各自がそれぞれいろんなことを犠牲にしたことに、ただただ感動した。
「面白いことのためには、すべてを犠牲にする!」
…という、フジテレビ黄金時代を支えた鉄の不文律が、久しぶりに帰ってきたことが嬉しかった。そして、その心意気が嬉しかった。そう、これが「笑っていいとも!」を生んだあの集団の魂なんだ、と。
この夜は、思わず「いいとも」が終わる淋しさ以上に、この魂との再会が嬉しく嬉しくてたまらなかった。一滴も飲めないのに、まるで酔っ払ったような気分だった。
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