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2014.04.24

なぜ豆助はいつも幼犬なのか?

 ソフトバンクCMのお父さん役でおなじみの北海道犬、カイ君が引退したらしい。10歳とか。お疲れ様でした。さて、カイ君引退の話にちなんで、今回は和風総本家のマスコット犬、豆助の話。

 人気動物キャラの話が出るたび、「普通の動物キャラは、同じ動物がずっと勤めるのに、なぜ豆助はいつも幼いままなの?」という質問を貰うことがある。その気持ちはわからなくもない。

 でも、気持ちはわかっても、そう簡単に変えることが出来ない理由がある。

 豆助の歴史は古い。和風総本家という番組がレギュラー放送を開始した2008年春まで遡る。今から6年前。当時は毎週月曜日の午後8時から放送していて、今とは雰囲気も少し違う番組だったが、歴代の豆助は、その第一回目放送からずっと出ている。

 そんな豆助には実は、ある大切な意味がある。

 これは私の勝手な思い入れなのだが、実は「豆助」は我々、現代日本人の象徴だったりする。自国の古い文化のことはあまり詳しくないが、それに憧れている若々しい存在。そんなイメージが豆助には込められている。

 とくに、初期の豆助のイメージはこのあたりが明確だ。

 一番最初のプランはこうだった。ご主人のお使いで和菓子屋さんにやってきた幼い日本犬が、その工房を覗き込んでるうちに、妄想が膨らんで、頭の中で和菓子が踊り出す。まるでアップルコンピューター社のCMのように。そんなイメージだった。

 これをベースにディレクターたちと話し合いながら作られたのが、初期の「豆助オープニング・和菓子篇」で、それが発展して、今の「豆助オープニング・お茶の間篇」へと進化した。設定は変わっても、豆助はいつも日本の古き良き文化に憧れている。

 それが豆助の役割だ。だから、豆助は歳をとらない。とらせたくない。実を言うと、初期の頃には老犬豆助のバージョンについても考えてみた。でも、「老犬が古い伝統に憧れる」のでは、伝わるイメージが全然違ってしまう。

 そこで、豆助は半年ごとに幼犬がデビューして襲名することにした。

 ちなみに、そんな豆助のことを愛してくれるファンの方から時に、「わずか半年で豆助を捨てちゃうのは可哀想では?」という感想を貰うことがある。確かに、番組を見ている視聴者からすると、そんな風に見えてしまうのかもしれない。

 でも、実際はその逆だったりする。幼犬でいられる期間には限界がある。撮影はだいたい1〜2週間ほどで終わる。幼犬なので出来る演技も限られているのだ。テレビで見て貰うように、ただ座ってるだけだったり、とても演技とは言えない自然な表情だったり。

 そして、そんな撮影が終わった歴代豆助は、幼犬のまま一般家庭に貰われていくというのが真相だ。

 実は、ここからが豆助たちの人生である。だから、豆助目線で考えると「撮影が終わった途端にポイ捨てされる」というのではなく、「幼い頃にちょっとだけタレントのような仕事をした後で、飼い主さんのもとでペットとして自由な人生を送る」のだ。

 歴代豆助たちが撮影後にどんな人生を送っているか?…については、ちゃんと確認することが出来る。豆助DVDシリーズの人気企画としてその後の彼らの映像が収録されているので、お暇な人は是非一度見て欲しい。

 僕も、この企画のおかげで彼らのその後を知った。彼らは、とっても幸せそうだ。

 豆助がなぜいつも幼犬なのか?という質問に対する答はだいたい以上のような理由による。さて、では、なぜ豆助が柴犬なのか?という質問にも答があるのだが、文章が長くなったので、こっちはまた別の機会に書く。
  
 
 
※この春の伊藤の特番一覧。>ココ

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2014年4月27日(日)10:00頃〜 ゼロテレビ
■「めちゃユル番外編・ニコ超会議に今年も行ってみた!!」

2014年4月29日(火)10:00頃〜 ゼロテレビ
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